チーム全員の退勤時間を約 2 時間早めた株式会社ビショップの受注処理の効率化
今回は、株式会社ビショップの秋津翼さんにお話を伺いました。
主な事業はアパレル製品の販売で、国内外のブランドを取り扱うセレクトショップの運営に加え、自社ブランドの企画から製造、販売までを一気通貫で手掛けます。
同社では EC 8 店舗分の大量の受注を毎日処理していますが、効率化の徹底によって、バックヤード業務担当の 7 名全員が 2 時間早く退勤できるようになったそうです。また、スタッフが毎年悲鳴を上げていたクリスマス商戦でも、効率化の大きな恩恵があったとのこと。
このように、個ではなくチーム全体を楽にするために、秋津さんは受注処理を最優先に自動化しました。その取り組みに至った理由や、これまでの試行錯誤、さらに現在の効率的な受注処理の仕組みについて、詳しく聞きました。
もくじ
モールごとに異なる受注の処理を、自作ツールで効率化していた過去
—秋津さんの自己紹介をお願いします。
秋津です。株式会社ビショップの Web事業部セールスオペレーションdiv.(ディビジョン)で課長を務めており、勤務歴は 9 年半です。
入社当初からずっと受注処理と顧客対応の業務に従事してきましたが、昨年から現在の部署にてデータ分析などを担当することになりました。たとえば、売上や在庫、サイトへのアクセス数などのデータを細かく分析し、運営にフィードバックしています。
—主な事業内容を教えてください。
弊社の設立は 2001 年で、国内外のセレクトブランド商品の販売や、自社ブランドの製造・企画などを行っています。大阪の本社は主に製造と卸売りの事業が中心で、私のいる兵庫の事業所では EC サイトなど、小売り関連の事業を運営しています。
従業員数は全体で約 50 名で、そのうちの 30 ~ 40 名ほどは兵庫の事業所に在籍しています。そして、事業所の全員が、EC 運営に何らかのかたちでかかわっています。Web サイト制作に従事するスタッフがもっとも多く、受注処理や納品、お客様対応などの担当は 6 ~ 7 名と、少人数です。
—EC 運営で苦労したことはありますか?
モールやカートごとに受注処理の手順が違うのが厄介でした。受注はすべてネクストエンジンに取り込まれるようになっていますが、その先の処理は受注元の店舗によって変わってきます。
はじめはこうした問題を、オリジナルステータスや「受注伝票一括更新アプリ」など、ネクストエンジンの機能やアプリだけでなんとかしようとしていました。ほかには、プログラミング経験のあるスタッフが私を含めて数名いたので、足りない機能は簡単なツールを自作して補ったりしていました。
でもやはり、どうしても実現できないこともあります。弊社の場合、受注番号を受注伝票の別の項目に転記するという業務を自動化したいニーズがありました。そこでネクストエンジンのサポートに相談したところ、「これならできるかも……」と紹介されたのが TēPs でした。
きめこまやかな対応でお客様と社内の負担を軽減
3 つの自動化事例
—TēPs を導入いただいた決め手は何でしたか?
先ほど申し上げた、ネクストエンジン受注伝票の受注番号の自動転記が実現できたからですね。
以前、私が顧客対応に従事していたとき、いちばん意識していたのが「きめこまやかさ」でした。たとえば、ガイドページの情報を充実させたり、入荷お知らせメールを素早く送ったりなど、きめこまやかな配慮をすることでお客様のお問い合わせの負担を軽くできます。すると、お問い合わせに対応する社内の負担も減る。お互いにメリットがあります。
そのように意識した仕組みづくりの一環として、受注伝票の受注番号を RSL(楽天スーパーロジスティクス)の発送伝票に転記する、ということをやりたかったんです。
① ネクストエンジン受注伝票の伝票番号を RSL の発送伝票に転記
弊社は主に RSL を利用して出荷していますが、お問い合わせの際に RSL の発送伝票の情報を伝えてこられるお客様が数多くいらっしゃいます。一方で、RSL の発送伝票の情報と、もとになったネクストエンジンの受注伝票の情報が紐づいていないため、以前はお客様のお名前で受注伝票を検索していました。しかし、お得意様だと複数の受注伝票がヒットするほか、同姓同名の方もいらっしゃるため、該当の受注伝票を探し当てるのに時間がかかります。
そこで、もしネクストエンジンの受注伝票の受注番号を、対応する RSL の発送伝票に「お問い合わせ番号」として記載できれば、お客様と弊社の双方の負担が軽減できると考えました。お客様は発送伝票を見ればお問い合わせ番号がすぐにわかりますし、弊社はお客様から共有いただいたお問い合わせ番号で検索すれば、確実に該当の受注伝票を見つけられます。これをなんとしても実現したかった。
ネクストエンジンの受注伝票の「納品書特記事項」の項目が、RSL 発送伝票の「備考欄」に対応していることはわかっていたので、あとは受注番号を納品書特記事項に転記するだけでした。
実際に TēPs を無料トライアルで利用してみて、この転記作業を自動化できることがわかったため、継続して利用していくことを決めました。
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② モールごとに異なるラッピング注文の仕様に合わせ、受注処理を自動化
—ほかにはどのような業務で TēPs をご利用いただいていますか?
現在は、TēPs を受注処理に特化させて利用しています。というのも、受注処理に一番時間がかかるからです。もし受注処理を早く終わらせることができれば、手が空いたスタッフが問い合わせ対応などのほかの業務に回ることができ、チーム全体の負担が軽減できます。
具体的な業務でいうと、ラッピング注文の受注処理を TēPs でモールごとに分岐させています。たとえば楽天市場の受注なら、ギフトフラグは無しで備考欄にオリジナルラッピング名が入ってきます。一方で、自社 EC の注文はギフトフラグありで入ってきますし、Yahoo!ショッピングの注文はまた違います。
このように、店舗ごとに仕様の異なる受注に合わせて TēPs で処理を変え、自動化しています。
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③ 予約商品の入荷通知メールを自動で送信
ほかには、予約商品の入荷通知メールを自動で送信しています。
弊社で取り扱う予約商品は発売日があらかじめ確定しているわけではなく、メーカーさん側の生産状況によってバラバラに入荷してきます。このため、ひとくちに入荷通知の送信といっても、出店モールや入荷時の状況によってオペレーションが変わります。
また、予約商品を注文したお客様のなかでも、入荷通知を希望される方とそうでない方がいらっしゃったり、入荷状況の確認や商品チェックが終わっていなければ、そもそも通知を送れないなど、さまざまな要素を考慮して送信する・しないの判断をしなくてはなりません。
以前はこの業務を目視確認と手作業でやっていましたが、負担が大きいので水曜日と土曜日にまとめて作業していました。
しかし、TēPs の自動化によって毎日この処理ができるようになったことで、チームの負担が軽くなったのはもちろん、通知メールを早く正確に送れるようになり、お客様をお待たせすることがなくなりました。
また、自動化という手段を得たことで、新たな効率化のアイデアを業務フローに取り込むこともできています。
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現場のスタッフがいちばん、効率化の効果をわかっている
—TēPs を利用してどんな効果がありましたか?
弊社は受注数が多い方だと思いますが、受注処理を自動化して負担を軽減できているため、お問い合わせ対応は基本的に 2 名 だけでまわせています。
また、TēPs 導入以前と比較して、チーム全員の退勤時間が 2 時間ほど早まったと思います。
あとは、これは恒常的な効果というわけではないのですが、クリスマスイベントの受注処理を効率化できたのは本当に大きかったです。受注処理班が毎年悲鳴を上げていたのですが、Google スプレッドシートとの連携で自動化することができました。これに限っていえば、退勤が 2 時間早まったどころではないくらいの恩恵がありました。
—TēPs をはじめて触ったときの印象を教えてください。
正直、はじめはさっぱりわかりませんでした。当時はマニュアルもなかったので、自分で作ろうにも進められません。ですが、サポートがとてもしっかりしていて、何か質問するとすぐにスクリーンショットなどを添付して教えてくれたので、徐々に TēPs の動きや仕組みを掴むことができました。
あとは、自社で実現したいことに近い内容のテンプレートを見つけ、フレーズの構成を参考にして自社のフレーズを構築したりしましたね。
—TēPs を使い続けて印象が変わったところはありますか?
慣れてみて、「これは使わないとダメだろ」と思いました。
弊社は自社 EC を含め、8 つの店舗を運営しています。モールごとに仕様やオペレーションが異なるので、ただでさえ受注処理が大変なうえ、倉庫も複数あるので発注業務も複雑です。このように業務のパターンが大量に存在するため、いかに効率化して楽にするかが重要だと感じます。
また、ちょうど受注が落ち着いている時期ということもあり、受注処理担当のスタッフ 2 名が使い方を覚えようと触り始めました。最新のフレーズは、私も助言しつつですが、その 2 名が自分たちで完成させてくれたものです。
TēPs の便利さを一番よく知っているのは現場の彼らなので、ほかにもフレーズを作りたいと意欲を見せてくれています。
「私が抜けた穴を TēPs が補ってくれている」
—TēPs を一言で例えると、どんな存在でしょうか。
単純に、スタッフがひとりふたり増えたような感覚です。
もともと私も受注処理の担当の一人でしたが、私が抜けた穴を TēPs が補ってくれているという感じです。たとえば、受注処理は RSL の締め切りに間に合わせるため、朝から急がないといけません。しかし、いざ受注処理をはじめようというときには TēPs である程度の処理が終わっているので、その後の業務をスムーズに進めることができています。
過去には 3 人で頑張って受注処理をしていたときもありましたが、今は当時より受注件数が増えているにもかかわらず、2 人だけでまわすことができています。
インタビューだから言うわけではありませんが、TēPs がないとウチはまわりません(笑)
今なくなられたら、本当に困ると思っています。
—今後、TēPs に対して期待していることがあれば教えてください。
ネクストエンジンと TēPs の連携によって、相当な問題が解決できそうだと思っています。ですので、ネクストエンジンとの連携機能をもっと強化してほしい。たとえば、商品マスタや入荷処理に関連する機能が増えれば、受注処理をさらに効率化したり、店頭在庫を管理しやすくなりそうだと感じています。
実は私、フレーズ考えるのが楽しいんですよ。だから新しい機能が追加されるたび、「お、あれができるんじゃないか」と考えが浮かびます。
TēPs は更新頻度も高いので、今後の新機能を心待ちにしています。
—ありがとうございました。
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