目的は常に「売上増」。TēPs を“攻め”に活用した施策でギネス記録を樹立|エース株式会社

インタビュー

2022.11.15

今回は、エース株式会社の北山浩さん・杉山智彦さんにお話を伺いました。

エース株式会社はバッグ・ラゲッジ業界のリーディングカンパニーで、プライベートブランドの「PROTECA」「ace.」は高い製品力から、国内で広く支持を集めます。また、百貨店や専門店、大型スーパーや直営店舗など多岐にわたる販売チャネルを持ちつつ、EC では 16 のサイトを運営するなど、ネット販売にも注力しています。

楽天市場のページを大幅リニューアルして臨んだ 9 月の楽天スーパーSALEでは、なんと売上のギネス記録を樹立その偉業達成には、TēPs を活用した施策が大きく寄与したと語ってくださいました。

No.1 の夢を込めて。創業 82 年のバッグ & ラゲッジカンパニー

—自己紹介をお願いします。

北山 営業本部 第三事業部 次長職で EC 事業全体を管轄しています。第三事業部では自社 EC やモール店舗の運営に加え、Amazon ベンダーや得意先への卸売りなどの業務も担っています。

私個人はもともと百貨店事業部に所属していましたが、2010 年に新たに立ち上げたレディース事業部に異動になってから本格的に EC に着手しました。レディース事業部ではひとつのブランドの EC しか運営していませんでしたが、見よう見まねで奮闘しているうちに規模が大きくなり、しまいには本体部署で管轄していた EC 事業を吸収して、私が責任者に就任しました。

それから 3 年間で売上を 2 倍にし、2 年前に全社の EC 事業がひとつの部署に統合されて今に至ります。

杉山 北山と同じ第三事業部にてチーフ職を務めています。入社して 13 年目で、今年の 1 月から ACE online store 楽天市場店の運営を担当しています。それまでチェーンストアのバイヤー様に向け、トラベルバッグやスポーツバッグ、子供向けバッグなどの営業をしていたので、EC は完全に未経験からのスタートでした。一般のお客様とやりとりをするのも初めてでしたし、業務で取り扱うブランドもガラッと変わるなど、まるで転職したような気分でした(笑)10 ヶ月経った今でも悪戦苦闘する日々を送っています。

お話をうかがった第三事業部の北山さん(左)と杉山さん(右)

—主な事業内容を教えてください。

杉山 弊社は 1940 年創業のバッグ&ラゲージメーカーです。業界のリーディングカンパニーとしてさまざまなブランドラインを展開し、時代に新しい価値を生み出すような挑戦を続けてきました。

創業時は「新川商店」としてスタートしましたが、カバンの No.1 になるという夢を込めた「エース」というブランドが 1952 年に始動し、それが現在の社名となりました。社名に込められた意味にたがわぬような最高のカバンを目指し、品質にこだわった製品づくりを続けています。

社内の理解を得るために 2 年間続けた「上長と学ぶ」

—現在の EC の運営体制と、EC をはじめたキッカケを教えてください。

北山 現在は 7 名の担当者で 16 のサイトを運営しています。一番多いときには 4 名で 24 サイトを運営していました。

弊社の EC がスタートしたのは 2008 年で、新しく販路を拡大するためにオンラインストアの運用を始めたことがキッカケでした。当時は未経験の担当者が一人だけで運営しており、社内の理解も得られていなかったため、多くて年間売上 500 万円ほどの規模だったようです。

私が 2017 年に責任者となったときには、それなりの事業規模になっていましたが、社内の理解が進んでいないという状況は変わっていませんでした。たとえば、現在は 2 拠点の物流倉庫でオペレーションを組んでいますが、提案から実装に至るまでに 2 年半かかりました。EC への理解が追い付いていないので、些細なことでも関係部署と交渉して許可を取る必要があり、とても時間がかかります。

—そういった社内の状況を改善するためにどんな取り組みをされましたか。

北山 EC 担当者が孤軍奮闘しているという状況は多くの企業に存在していて、現にお悩みもよく寄せられます。そういった相談に対して私はいつも、「決裁者が物事を理解していないから決済できないのだ」と回答しています。

私の場合は当時の上長が決裁者でしたが、無理に説得を試みるのではなく、「自分が学ぶついでに上長も一緒に学ぶ」という方向に舵を切ってから状況が好転しました。たとえば、日々の情報収集の一環で見つけたネットニュースなどを上長にどんどん転送していくんです。ここで、ただ転送するのではなく、「将来的にこうなっていくのではないでしょうか」「ウチもこの流れに乗っていく必要があると思います」などと、自分の意見を書き添えるのが重要です。

すると 2 年後には、上長は社内で私の次に EC に詳しくなり、以前よりも大きめの予算が通るようになりました

—かなり地道な社内活動をやってこられたんですね。杉山さんも営業から EC 担当への転身ということで、大変なご苦労をされてきたのではないでしょうか。

杉山 私は売上の施策の一環として、楽天市場のイベントごとにメルマガを配信しています。ところが、私は「HTML ってなに?」という状態で店舗担当に就任したので、メルマガを少し編集するだけでも 3 ~ 4 時間かかり、とても仕事になりませんでした。それまで 13 年間やってきた営業の経験がまったく通用せず、メルマガだけで一日の業務が終わってしまう日もあるという状態に焦りを覚えていましたね。

TēPs で商品名を素早く変更しポイントアップをアピール。楽天スーパーSALEギネス記録達成の裏側

—北山さんの情報発信を拝見していると、さまざまなサービス・ツールを試されているように思います。サービスを試したり、導入したりする基準などはあるんでしょうか?

北山 試してみないと合うかどうかはわからないので、気になったらとりあえず試すようにしています。現場から少し離れた立場になった今は、そうしたサービスを試す余裕があるため、私が試して使えそうだったものを担当者に紹介しています。TēPs に触れたのもその一環です。はじめは戸惑うところもありましたが、一度仕組みを作ってしまえば難しいものではなさそうだと感じました。

—現在、どのような業務で TēPs をご活用いただいていますか?

杉山 楽天市場のイベントの際、商品名を自動で変更するのに TēPs を利用しています。たとえば楽天スーパーSALEの場合なら、商品名の先頭に「公式 スーパーSALE 期間中○% オフ」とつけて、店舗がイベントに参加していることをお客様にアピールしています。

TēPs 導入以前も FTP サーバーへの CSV アップロードを利用して同じ施策を実施していたんですが、(商品名の変更に)時間がかかるなという印象でした。ですので、時間どおりに商品名を変更できる TēPs にはとても魅力を感じています。

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—TēPs を利用してどんな効果がありましたか?

杉山 業務時間が短縮されたと思います

イベントの開始・終了時刻が深夜なので、以前は出社してすぐに商品情報を変更していました。それが今では、出社したときには自動で商品名が変わっていますし、イベントの終了に合わせて商品名が元に戻ります。TēPs のセッティングも 10 分程度で終わるので、作業が楽になったことを肌で実感しています

9 月のスーパーSALEで売上のギネス記録が樹立できたのも、ストアリニューアルと、TēPs での商品名の自動変更が大きな要因だと思いますね。

北山 セールの最終日に楽天原資のポイントが付与されました。そこで、すかさず杉山に連絡を取り、TēPs で商品名に「ポイント○倍」と付けてもらいました。これが奏して売上を伸ばせたのが、ギネス記録樹立に貢献したんじゃないでしょうか。

杉山 もし FTP でアップロードしていたなら、商品名が変わり切らないうちにセールが終了してしまっていたと思いますね。

「TēPs は売上をつくるツール」「モールの仕組みを理解すれば、TēPs で伸ばせる余地はまだまだある」

—TēPs を一言で例えると、どんな存在でしょうか。

北山 Shopify に触れていない方には伝わりにくいかと思いますが、楽天市場版の Shopify Flow だと思っています。

杉山 私にとっては、なくてはならない存在で、売上をつくるツールです。

北山 商品名変更の重要性に気づいていないショップさんは多いんじゃないでしょうか。たとえば、お買い物マラソンの期間中はどこの店舗も買い回りの対象です。しかし、商品名に「マラソン参加中」と入れてイベントに参加していることをアピールすることで、お客さんが安心し、買ってもらいやすくなると思います。

とはいえ、通常は RMS からダウンロードした CSV ファイルを加工してアップロードし、イベントが終わったら元に戻すという煩雑な手順が必要なので、そう頻繁にできる作業ではありません。また、先述の 9 月のスーパーSALEのように突然ポイントが付与されたときなどに、すぐ対応するのは難しいと思います。

その点、ルールを守って設定しておけば、時間どおりに商品名を変更できる TēPs はいいですよね。

—今後の展望を教えてください。

杉山 楽天市場の担当になって 10 ヶ月ですが、ようやくお客様に何を伝えればよいか掴み始めているところです。また、ここ 2、3 年はコロナによって旅行に対してネガティブな風潮がありましたが、最近は公的な支援などがはじまり、ポジティブなイメージに変わりつつあると思っています。ここをチャンスと捉え、スーツケースやトラベルバッグなどを中心に売上を伸ばしていきたいです。楽天ショップ・オブ・ザ・イヤーの獲得を直近の目標にしています。

—展望に向け、TēPs をどんなところに活用できそうですか?

杉山 一部商品でポイント変倍率を変える運用をしていこうと思っているので、自分の作業ミスをなくすためにも TēPs で自動化していきたいと考えています。

北山 TēPs の時間指定で実行できる機能を利用すれば、流入が多い時間帯だけポイント変倍率を大きくして売上を伸ばし、翌日のランキング入りをねらうなどの施策もできると思います。このようにモールの仕組みを理解すれば、TēPs で売上を伸ばす余地はまだまだあると思うので、杉山にはさらに活用していってもらいたいですね。

—ありがとうございました。

リンク

コーポレートサイト:https://www.ace.jp/
PROTECA(プロテカ):https://www.proteca.jp/
ace.:https://www.ace-dot.com/
Ace Online Store:https://store.ace.jp/shop/default.aspx
Ace Online Store 楽天市場店:https://www.rakuten.ne.jp/gold/ace-store/

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